光トポグラフィー検査後の結果

検査を受けてから2週間後に主治医の診察を受けました。検査結果自体は実際は検査日から1週間ほどして通知が届いていたようです。検査報告書の評価によると私は双極性障害のパターンに当てはまっているということでした。

波形グラフを見ると、私の脳内の血液量は若干少ない程度で思ったよりも流れていました。しかし、前頭部の血流の上昇は言語流暢性課題(「ま」で始まる言葉を思いつく限り並べてください、という課題)の後半、終了間際にピークが来ていました。左右の側部が課題の最初から血流が上昇しているのに対し、同じタイミングの前頭部の反応の鈍さは明らかでした。

図面で診て、報告書の文章を目で追って、自分の呼吸が浅くなるのが分かりました。現実についていけずにぼーっとしていながらも、口では主治医の先生に対し「これで治療を受けていく気持ちが定まった」と前向きな言葉を告げていました。でも、胸の奥では、受け入れたくない気持ちが強かったです。

別に、自分は双極性障害ではないと思い込んでたわけではなくって、でも……やっぱり、双極性障害であって欲しくない気持ちがどこかに残っていたんだと思います。

双極性障害のパターンに当てはまる結果がでて思ったこと

診断結果を見て、最初に頭に浮かんだのがうつ病と不安障害と診断され、パキシルを飲み続けていた3年間はなんだったのだろうということでした。ここ数年の間で度重なる自殺企図や希死念慮に苦しんできましたが、それが双極性障害の患者にパキシルを与える事によって起きる混合状態の症状だったとしたのなら、あの辛さはなんだったのか、と思いです。

これについては、夫や友人から「3年もかかったではなくて、3年で分かってよかったと思う」と声をかけてもらい、かなり落ち着いた気持ちになれました。まったくその通りで、パキシルにより不安定になる回数が減るのならこれほど楽なことはありません。自殺企図や自殺念慮は本当に苦しいものだからです。

痛くない方法を選ぼうとしているうちはまだ自分でも楽観できますが、痛くてもかまわないからとにかく死にたいと思い始めると、本当は死にたくないので怖くて仕方ないです。

客観的に見えることで治療に対して前向きになれるかもしれない

自殺企図や希死念慮について言えば、今まで自分はうつと不安障害だと診断されていたので、パキシルを飲んでも自殺企図や希死念慮がなくならないことを「本当は病気ではないのに、甘えているだけじゃないだろうか」と考えてしまい自己嫌悪に苦しむこともありました。

パキシルを減らしたときの方が調子が良いことが、その考えを加速させ調子の良いときでさえ辛い思いをしてきました。でも、自分が双極性障害でパキシルは合わない薬だと分かった今、自己嫌悪なくなりました。

また、波形グラフの血流を見ると、自分の病気を受け止めてあげてこの脳とつきあっていこうという気持ちになります。光トポグラフィー検査を受けることで、うつの人も、双極性障害の人も、統合失調症の人も、血液の流量が健常者とは違う様子をデータで見て前向きに治療を続けようと思うようになるかもしれません。

「うつ=甘え」「自分は自分に甘いダメな人間だ」という自己肯定感の低い患者さんに、光トポグラフィー検査は向いているような気がしました。

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